『五十嵐養庵先生語類文集』の内容
印刷用ページを表示する 掲載日:2015年11月4日更新
『五十嵐養庵先生語類文集上下巻』は、孫の矢部直言が編集したものである。序文を中野義都が書いている。
序文の内容は、養庵が藤樹の学を慕って京都に赴き、岡山先生にその真髄を得て帰郷し、それを伝授し、学ぶ者多くを教えたということ。孫の矢部直言が祖父養庵の志を継承し、藤学を篤く信奉し、井上国直や義都をよき友として藤樹学を学び伝えたことを述べている。
文集の内容は養庵が諸生・門人に語った言葉や書簡を編集したものである。祖父養庵が岡山先生の門人として藤樹学を信奉し、京都や江戸の先覚と書簡を通じ交流し合い、楽を触発され、種々の疑問を解いていたことや、自分はその子孫の一人として、これを後世に伝え、子孫が永く祖父の志を継ぎ、諸先覚の教えに従っていくことが孝敬につながり、弟慈にかなえばなにより幸であると述べている。
内容は以下のとおりである。(※)は別項に掲載した。
上巻の内容
- 養庵先生上方諸先覚への書中(※)
(1)日用の心術について
(2)学問の主意は良知にあり - 明暗の弁
(1)山田諸君に
(2)会津諸君へ - 五十嵐氏、道に志し深き事
- 五十嵐養庵書翰
- 五十嵐惟休子、小倉以水への返翰
- 養庵先生郭内諸君に返答書
- 遠藤(謙安)、東條(方秀)の両氏、在京の処へ養庵先生が遣わされた書翰の写
下巻の内容
- 森代松軒に与える書(※)
- 森代松軒、矢部善五郎両子が上京し逗留の内に送られた書翰
- 右両氏上京の砌、即日若松旅宿へ遣わされた書翰の写
- 養庵先生より遠藤謙安先生への来書(※)
- 木村子の返翰
- 藤尾、斎藤両氏への返書
- 赤城、長谷川両氏への返書
- 養庵先生文集奥書