農業は楽しいじゃなく『面白い』
福島県郡山市→Iターン
郡山市出身。水稲・繁殖牛農家。
郡山の高校卒業後、進学・就職のため首都圏で過ごす。その後、郡山に戻り働いていた時、喜多方出身の千紘さんと出会い、結婚を機に喜多方に移り住む。
千紘さんの実家が農業を営んでいたことから、親元就農し農家に。
父親の転勤の都合で県内各地を転々とした子供時代の丸山さん。中学校から高校まで過ごした郡山市が一番長く過ごした土地でした。その後、進学や就職のため首都圏で過ごした時期もありましたが、20代半ばからは郡山に戻り働いていました。そこで同僚として知り合ったのが、後に結婚する喜多方出身の千紘さんでした。千紘さんの希望もあり、結婚後は喜多方の実家に移り住むことになりました。
それまでは比較的都市部で生活してきた丸山さんにとって、農村での暮らしは初めてでした。「不安半分、まあ何とかなるだろうという気持ちと」と当時の心境を話します。今では、消防団や地区の共同作業も当たり前に参加している丸山さん。「仕事以外のことがこんなにいっぱいあると思わなかった」と笑います。
喜多方での新しい仕事を考えたとき、せっかく義父が農業をやっているのに「継がなかったら終わってしまう」と思い、就農することを決めます。公的機関に就農相談をして、支援制度を活用しながら、近隣の農業法人で水稲の生産を1年間学びました。
そして、義父とともに実家の農業経営に携わって3年になり、もともと6haほどだった水稲の経営規模を10haにまで拡大しています。しかも、丸山さんの作るお米は、全て農薬・化学肥料の使用を一定水準まで減らした「特別栽培米」です。
「やっぱりこっちにきてから食べるお米はうまいですよ。あと妻が家庭菜園で作る野菜も良いですね」と喜多方産の農産物のおいしさからついつい食べ過ぎてしまうことも。
「農業は決して楽しいことばっかりじゃないから、表現としては『面白い』かな。まだまだ色々うまくいかないこともあるけどそれも含めて面白い」と農業の奥深さを実感しています。
「夜、すごく星がきれいで近いんです。誰も気にしてないんですけどね(笑)」と、もともとの喜多方市民ではなかなか気が付かない喜多方の良さを見つけています。
農繁期となる春から秋までは大忙しで、なかなか家族とゆっくり過ごせない生活が続きます。それでも、サラリーマン時代の夜型の働き方を考えると「今みたいに家族で夕飯食べるような生活はできなかったかな」
一児の父として、忙しさの中にも幸せを感じる日々。いずれは、農業経営の規模をますます拡大していくことが目標です。
※当インタビューは、2021年に行われたものです。