誕生~少年期
雪の中で生まれる
明治15年(1882)2月22日未明、 母モトは、夫の実家である田中家へ旧正月の挨拶を終えての帰り道、陣痛が激しくなり、相川村の道路わきで吹雪の中、門三を産み落としたという。このとき、夫の岩四郎は「くまの胆」の行商中で、行方不明の状態であった。
母の再婚
母モトは、夫の行方を必死にさがしたが、結局行方不明のままだった。やむなく高橋家を弟にゆずり、門三を連れて家を出た。
モトは、岩月村(現・喜多方市)の蓮沼家の手伝いとなり、農作業や家事を手伝うことになった。明治18年、モトは蓮沼市太郎と再婚し、門三は蓮沼門三となる。
少年時代
蓮沼家の彦吉じいさんは門三をたいへんかわいがり、偉人の伝記(絵本)を買い与えた。このことが門三の心に夢や好奇心そして勇気を育んだ。
14歳のとき、門三は12人の友だちと米沢街道の道の掃除を手がけた。続いて、村の風紀改善に取り組み、大沢集落の青年の飲酒、遊蕩の風習をやめさせた。また、門三は忙しい母にかわり妹たちの面倒をよくみた。妹を背負ったまま学校に行くこともあった。
また門三は仲間と氷を切り出して町で売り、そのお金で幻灯機を買い、村々をまわり見せてまわった。門三自作の二宮金次郎などの話をした。まさに視聴覚教育のさきがけともいえる。
15歳で教壇に立つ
明治30年、門三は准教員の検定試験に合格し、わずか15歳で岩月尋常小学校・入田付分教場の代用教員となり教壇にたった。。
そして18歳頃から正教員になるために師範学校入学を志すようになる。