越境した枝の切り取りルールの改正について

印刷用ページを表示する　掲載日：2025年8月20日更新

越境竹木に関するルールが改定されました！

越境した木のイメージ

令和５年４月１日の民法改正により、越境された土地の所有者は、竹木の所有者に枝を切り取らせる必要があるという原則を維持しつつ、次のいずれかの場合には、枝を自ら切り取ることができるようになりました（改正後の民法233条３項１号～３号）。

　また、竹木が共有物である場合には、共有者が越境している枝を切り取ることができるようになりました。（改正後の民法233条2項）

※1の場合に共有物である竹木の枝を切り取るにあたっては、基本的に、竹木の共有者全員に枝を切除するよう催告する必要がある。もっとも、一部の共有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときには、その者との関係では2の場合に該当し、催告は不要。　

　なお、喜多方市では竹木の枝が法的に切除可能かどうかは判断いたしかねます。竹木の所有者とのトラブル防止のため、切取りまでの適切な手順については、弁護士、司法書士等の専門家にご相談いただく事をお勧めします。

※令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント（法務省）より抜粋

　ご自身で法務局の窓口やインターネットを通じて、不動産の登記事項証明書を取得することで、どなたでも土地所有者を調査することができます。（有料）また、近隣の方が情報を把握している可能性もあるため、聞き取りも有効です。相続人調査が必要な場合は、弁護士等の専門家へご相談ください。

　上記１の「相当の期間」とは、越境した枝を切り取るために必要な時間的猶予を与える趣旨であり、事案によりますが、基本的には2週間程度と考えられます。

　あらかじめ、使用の目的、日時、場所及び方法を土地所有者に通知した上で、越境した枝を切り取るのに必要な範囲で、隣地を使用することが可能です。なお、あらかじめ通知することが困難なとき（土地所有者が不特定又は所在不明である場合、急迫の事情があるとき等）はこの限りではありません。（改正後の民法第209条）: 「隣地所有権」（令和５年４月民法改正） [PDFファイル／117KB]
※令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント（法務省）より抜粋

　枝木が越境して土地所有権を侵害していることや、土地所有者が枝を切り取ることにより竹木の所有者が本来負っている枝の切除義務を免れることを踏まえて、基本的には、竹木の所有者に請求できると考えられます。（民法第703条、第709条）

　越境した樹⽊の枝については、隣の土地所有者の財産となるため、市が越境した枝を切ることはできません。

　今回のルール改正は「越境された土地の所有者」が適切な手順を踏むことで、枝を切れるものとなっています。民事（相隣関係）の問題となるため、市では仲介（伐採の依頼を含む）・仲裁等も行っていません。当事者同士の話し合いに基づく解決や法律に基づく解決をお願いします。