マダニ等が媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群」に注意しましょう!
マダニ等が媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群」に注意しましょう!
重症熱性血小板減少症候群(Sfts)は、ウイルスを保有するマダニに咬まれることにより感染します。
また、Sftsウイルスに感染した犬や猫に咬まれたり、血液などの体液に直接触れることで感染することも報告されています。
Sftsの感染者数は、平成25年に国内で報告されて以降、報告数は年々増加傾向にあります。
これまでは、西日本を中心に報告されていたところですが、今般、静岡県で初めて症例が確認されたことから、今後は他の
地域においても患者が報告される可能性があります。
詳細については、厚生労働省ホームページ 重症熱性血小板減少症候群(Sfts)<外部リンク>について をご参照ください。
感染経路
- ウイルスを有するマダニに咬まれることにより感染します。
多くの場合、マダニに咬まれてSftsウイルスに感染すると考えられますが、マダニに咬まれた痕が見当たらない患者も
います。
- 最近の研究では、Sftsウイルスに感染し、発症している野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSftsウイルス
が検出されています。特にSftsウイルスに感染し、発熱、消化器症状(食欲不振等)を呈しているネコやイヌに咬まれ
たり、血液などの体液に直接触れたりすることで、Sftsウイルスに感染する可能性は否定できないと考えられていま
す。
- 患者血液や分泌物との直接接触が原因と考えれるヒト-ヒト感染の事例も報告されています。飛沫感染や空気感染の
報告はありません。
潜伏期間・症状
- 潜伏期間は、ダニに咬まれてから6~14日とされています。
- 発熱、消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。
時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障がい、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫
斑、下血)が出現します。
- 有効な抗ウイルス薬等による特異的な治療法はなく、対症療法が主体です。
国立感染症研究所の最新の研究によると、致死率は約30%くらいです。
注意喚起
1.マダニに咬まれないようにしましょう!
特にマダニの活動が盛んな、春から秋にかけて注意が必要です。野山や草むら、畑などに入る場合は、耳を覆う帽子、首に
巻くタオル、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくしてください。マダニ用に市販されている忌避剤
はありますが、マダニの付着を完全に防ぐことはできませんので、他の防護手段と組み合わせて対策を取りましょう。
2.屋外活動後は、マダニに咬まれていないか確認しましょう!
マダニに咬まれた場合は、数日間、体調の変化に注意しましょう。
発熱・発疹の症状が見られたら、早めに医療機関を受診し、マダニに咬まれた可能性があることを医師に伝えましょう。
3.野生動物などの接触にも注意しましょう。
野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。野生動物との接触は避けてください。また、動物の死体等
に接触することは控えましょう。
動物由来感染症に対する予防の観点からも、動物(ネコやイヌ)を外でも飼育している場合、口移しでエサを与えたり、動物
を 布団に入れて寝たりすることなどは控えてください。また、動物に触ったら必ず手を洗いましょう。また、動物に付着したマ
ダニは適切に駆除しましょう。飼育している動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、咬まれたりなめら
れたりしないようにし、動物病院を受診して下さい。
参考)
■厚生労働省ホームページ
・ 重症熱性血小板減少症候群(Sfts)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html<外部リンク>
・ 「獣医療関係者における動物由来感染症の予防を目的とした啓発資料の作成について(情報提供)」(平成31年3月13日付け厚生労働省健康局結核感染症課)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000750154.pdf<外部リンク>
■国立感染症研究所ホームページ
・ 重症熱性血小板減少症候群(Sfts)とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/sfts.html<外部リンク>