山都そば
山都そば
飯豊連峰のふもと「山都」は古くからそばの里です。標高400メートルほどにあり、寒暖の差が激しい風土は良質のそばが育つ条件を満たしています。
山都そばの特徴
山都では、製粉歩留りを70%以内に定めているため、他の地域よりも白っぽいそば粉が挽かれます。
そば打ちでは、内層部分の白っぽいそば粉は粘りが少ないので、こねるとき小麦粉や山芋などのつなぎが必要ですが、山都ではつなぎを一切使わずにそば粉だけでこねます。つなぎを使わずにこねるのはそば職人でも難しいとされていますが、山都では湯ごねと水ごねを併用したこね方でごく普通に行われています。挽きたて、打ちたて、茹でたてのそばを提供するのが基本です。山都のそばは、やや白っぽく透き通った色合いでしこしことした独特の歯ごたえがあります。
雪室そば
雪室とは、雪を利用する冷蔵貯蔵施設で、そばの実は施設内のそば貯蔵室で気温約5℃、湿度約70%の環境で貯蔵するため、梅雨時期の高湿度、夏場の高温による変質を抑え、年間を通じて収穫期のそばに近い風味を保つことができます。その雪室で貯蔵されたそばの実を挽いて打ったそばのことを「雪室そば」と呼びます。
寒晒しそば
1年間で最も寒さの厳しい大寒のころに、極寒の渓流にそばの実を浸します。10日ほどしたらそれを引き上げ、さらに20日間ほど寒風に晒して自然乾燥させます。これを製粉してそばを打つと、真っ白で弾けるような感触のすばらしいそばができるのです。それが寒晒しそばです。江戸時代、将軍家に献上されていたという、贅沢なそばです。