子宮頸がんってどんな病気?
近年、39歳以下の日本人女性で子宮頸がんの発病や死亡が増えています。子宮頸がんは、女性なら誰でもかかる可能性のある病気。
20歳代と30歳代の女性では最も罹患する人が多いがんです。
子宮頸がんとは
子宮頸部(子宮の入り口)にできるがんのことです。大部分の子宮頸がんは、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)という、がんになる前の状態を経てからがんになります。
がんになる前の状態であるCINやAISの時期には症状がなく、おりものや出血、痛みもありません。
早期に発見すれば比較的治療しやすく予後の良いがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要です。
原因はヒトパピローマウイルス(HPV)
子宮頸がんの95%以上は、HPVが子宮頸部に2年以上持続して感染していた人から発生します。
HPVは性交渉によって感染するウイルスです。そのため、若い人ではHPVの感染率が高いですが、HPVに感染した人が必ず子宮頸がんになるわけではありません。
HPVに感染しても、免疫によって大部分は自然にウイルスが排除されます。がんになる前の状態になっても進行しないか、改善する場合もあり、全員が子宮頸がんへ進行するわけではありません。
しかし、ごく一部の人で持続感染し、「前がん病変」に、その一部ががんに進行します。
子宮頸がん:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]<外部リンク>より引用
子宮頸がんの早期発見のために
がん検診を自覚症状がないうちに受けることが大事です。
早期の子宮頸がんやがんになる前の状態は自覚症状がないことがほとんどです。
子宮頸がん検診では、がんになる前の「前がん病変」や、ごく初期のがんを高精度に発見できます。
前がん病変の状態で発見されれば、子宮全摘手術ではなく、病変がある場所のみを切除する円錐(えんすい)切除手術が行われます。妊娠の可能性を残すことを考える場合には特にがんになる前の状態で発見することが重要です。
予防はがん検診とワクチンで!
子宮頸がんは検診とワクチンで予防が期待できます。
子宮頸がん検診(細胞診)
1 子宮頸部(子宮の入り口)を、医師が専用のブラシやヘラでこすって細胞を採る。
2 異常な細胞がないか顕微鏡で調べる。
検診はいつから?
20歳以上の偶数年齢の方
※前年度未受診の奇数年齢の方も受診できますので、希望の際は市へご連絡ください。
注意点
現在、子宮の病気で治療中または、経過観察中の方は受けられません。
自覚症状のある方は、検診ではなく、医療機関を早めに受診してください。
また、月経(生理)中の受診はなるべく避けるようにしてください。
HPVワクチンの効果
HPVの中には子宮けいがんをおこしやすい種類(型)のものがあります。
HPVワクチンは、このうち一部の感染を防ぐことができます。
現在日本において受けられるワクチンは、防ぐことができるHPVの種類によって、 2価ワクチン(サーバリックス®)、4価ワクチン(ガーダシル®)、 9価ワクチン(シルガード®9)の3種類あります。
サーバリックス®およびガーダシル®は、子宮けいがんをおこしやすい種類である HPV16型と18型の感染を防ぐことができます。
そのことにより、子宮けいがんの原因の50~70%を防ぎます。
シルガード®9は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類のHPVの感染も防ぐため、子宮けいがんの原因の80~90%を防ぎます。
また、HPVワクチンで、がんになる手前の状態(前がん病変)が減るとともに、 がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
接種する対象は?
小学校6年~高校1年相当の女の子を対象に、 子宮けいがんの原因となるHPVの感染を防ぐ ワクチンの接種を実施しています。
カナダ、オーストラリアなどでは 女の子の8割以上がワクチンを受けています。
ワクチンの副反応について
筋肉注射という方法で注射します。接種を受けた部分の痛みや腫れ、赤みなどの症状が起こることがあります。
ワクチンの接種を受けた後に、まれですが、重い症状が起こることがあります。また、広い範囲の痛み、手足の動かしにくさ、不随意運動といった多様な症状が報告されています。
ワクチンが原因となったものかどうかわからないものをふくめて、 接種後に重篤な症状として報告があったのは、ワクチンを受けた1万人あたり約2~5人です。
接種するワクチンや年齢によって、合計2回または3回接種しますが、 接種した際に気になる症状が現れたら、それ以降の接種をやめることができます。 接種後に気になる症状が出たときは、まずはお医者さんに相談してください。