令和7年度「31文字で喜多方を詠おう」入賞作品決定!
「31文字で喜多方を詠おう」入賞作品が決定しました!
「喜多方市」の魅力を再発見するとともに、生涯学習の推進を図ること等を目的として募集を行った当事業について、市内外から多数ご応募いただき、その応募総数は、一般の部91首、ジュニアの部300首となりました。たくさんのご応募ありがとうございました。入賞作品をご紹介いたします。
一般の部
最優秀賞(1名)
久保田 聡さん 神奈川県 男性
鉄橋を汽笛駆ければ二重奏飯豊の峰へ風となりゆく
審査員コメント
季節限定で磐越西線をSLが走っている。聴覚と視覚で捉えたスケールの大きい詩情ゆたかな一首に感動した。
優秀賞(3名)
桐野 鈴子さん 埼玉県 女性
エンヤーと小原庄助歌う父淋しくなると私も歌う
審査員コメント
「寂しくなると私も歌う」このフレーズがとてもいい。父と子(作者)の温かい関係性も一首から見えてくる。
生江 福子さん 高郷町 女性
わが町の小さき酒蔵「こでらんに」「Q(食ふ)」といふ酒わが喉癒す
審査員コメント
喜多方は酒処として有名。多くの酒蔵が酒のネーミングにも知恵を絞る。表記の二つの酒の名がいかにも美味しそう。
遠藤 玲奈さん 東京都 女性
蔵通り歩む私は町娘あちらこちらと覗きて愉し
審査員コメント
「私は町娘」この言葉が何と言っても楽しい。作者の年齢や町歩きをするその姿にも想像がおよび読み手も楽しくなる。
優良賞(5名)
田代 文子さん 山都町 女性
啄木もありがたきかなと詠いたるその頂(飯豊)を今日も眺めん
審査員コメント
啄木は「ふるさとの山に向ひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな」と詠んでいる。その啄木の歌を引いて趣ぶかい。
物江 律子さん 高郷町 女性
三ノ倉のひまわりの丘登り来て鳴らす鐘の音眼下に響く
審査員コメント
一面黄色に染まるひまわり畑に作者の鳴らす鐘の音が響きわたる。調べが美しく余韻の残る歌である。
遠藤 雄介さん 愛知県 男性
喜多方の夏に生れゐて雪原を恋ふるがごとく咲くそば畑
審査員コメント
「雪原を恋ふるがごとく」が一首の核。作者の感性から一つの句が生まれた。
北条 暦さん 京都府 男性
喜多方に嫁ぐ京都の教え子の成績二番を祝辞に添えぬ
審査員コメント
成績が一番でなく二番と詠んだところが何とも可笑しくあたたかい。
丸山 みなとさん 埼玉県 女性
もう一度母の笑顔が見たくってひまわり畑で母の手を引く
審査員コメント
老いた母親を想う作者のやさしさに共感。上の句の飾らない素直な表現に魅かれた。
ジュニアの部
最優秀賞(1名)
小川 情さん 喜多方市立第二小学校 5年
ラーメンがとってもうまい喜多方に住んでるぼくは幸せだなあ
審査員コメント
素直な子どもらしい歌。最後の「あ」は一見文字数合わせのようだが、よろこびの気持ちを強調している。
優秀賞(3名)
渡部 心菜さん 喜多方市立塩川中学校 2年
見上げるとしだれ桜と青空がこの季節だけのコラボレーション
審査員コメント
青空としだれ桜を取り合わせていてその光景が見えて来る。
森井 靖太さん 東京都 17歳
濃いけれどあっさりとしたラーメン(のような関係性)をください
審査員コメント
感性が大人。括弧をつけた歌というのは斬新。読み上げる時はわからないが心情は伝わる。
五十嵐 絢音さん 喜多方市立第三中学校 2年
快晴夜恋人坂の上で見る家のライトは宇宙のようだ
審査員コメント
恋人坂から見おろす喜多方の街あかりを宇宙にたとえた視野の広い歌。
優良賞(5名)
加藤 大翔さん 喜多方市立熱塩加納小学校 6年
熱塩の岩子の教え守りつつ水あめ作り語りつがれる
審査員コメント
瓜生岩子の行跡は語りつがれるべき喜多方の誇りです。
渡邉 日陽さん 喜多方市立塩川小学校 5年
春になり桜の花のトンネルを自転車こいで未来へ進む
審査員コメント
明るさいっぱい。希望がいっぱい。夢いっぱいの未来へGO!
伊藤 大貴さん 喜多方市立第三中学校 1年
通学路気づけば稲は黄金色自転車をこぐ僕は何色
審査員コメント
自転車通学の楽しさ。僕はまだ何色にでもなれます。未来は明るい。
菊地 智愛さん 喜多方市立上三宮小学校 5年
風がふきピンクのカーテンゆれているしだれ桜が雲みたいだな
審査員コメント
子どもらしい素直な感想を表現している。
新井田 颯斗さん 喜多方市立熊倉小学校 5年
夕ぐれの田んぼのひかりかがやいてオレンジ色の恋人坂よ
審査員コメント
水張田か、稲穂か。夕陽に光っている様子がさわやか。結句の「よ」に余韻がある。
